今回はアルマイトについて、お話をしたいと思います。
先日ご紹介した押出の工程の後、多くの材料がアルマイトと呼ばれる表面処理をすることになります。
【アルマイト(陽極酸化処理)とは?】
電解液の中にアルミニウム製品を浸し、電気を流すことによって電気分解が起こり、アルミニウムの表面に厚い酸化皮膜を人工的に作ることをアルマイト処理と呼びます。
陽極酸化を応用した着色の種類は3つあり、陽極酸化をするだけで色がつく「① 自然発色」、陽極酸化皮膜の孔に金属化合物を析出させて色を調整する「② 電解着色」、有機染料などを用いて陽極酸化皮膜の孔に吸着させる「③ 着色塗装」があります。
【アルマイトとメッキとの違い】
アルマイトとメッキは、金属の表面処理として同じように思われていることがあります。しかし、基本的には異なる表面処理となります。
アルマイト
→ 陽極で処理。アルマイト膜は表面を覆うだけでなく、上に成長皮膜、下に浸透皮膜と上下に成長する。
メッキ
→ 陰極で処理。電解液の金属を析出させて、皮膜を成長させ表面を覆う。被メッキ材の上に、異種金属の膜が重なるので、元の金属より厚くなる。
【アルマイトによる効果】
・硬度が上がる
アルミニウムの生地そのままの状態より硬度が上がり、傷や摩耗に強くなります。
・耐食性が高くなる
アルミニウムは大気中で自然に作られる酸化皮膜で保護されているので一般的に耐食性に優れていると言われていますが、その膜は薄いのであらゆる環境には耐えることが出来ません。
それを補うための加工がアルマイト処理ということになります。
・絶縁性がある
アルミニウムは金属ですが、アルマイトされた皮膜は電気を通さなくなります。
・美しくなる
染色や電解着色によってさまざまな色をつけることも出来るので、アルミニウムをさらに美しくすることが出来ます。
一般的には、アルマイトという言葉はあまり聞いたことがないかもしれません。
しかし、このように耐食性・美観性に優れ、安価で均一的に処理出来るアルマイトは建材・工業用品・家庭用品など幅広い分野で活用されています。
意外と身近なアルマイト。
今回は簡単にその特性を説明させて頂きました。