こんにちは!
今回は、以前から継続しております、アルマイトのより深い中身をお話します。
前回までは、アルミにはアルマイトが必要である事、また、その工程や弊社取り扱いの
カラー、特殊仕様などをご紹介しました。
<参考>
今回は、作業工程の中の¨封孔処理¨についてお話したいと思います。
◎封孔処理とは
アルミ製品のアルマイト処理後には、表面に無数の小さな穴が開いています。その微細な穴を閉じる処理を¨封孔処理¨といいます。
Q. なぜ 封孔処理が必要 ??
A. アルマイト処理(陽極酸化処理)後の表面には、必ず封孔処理が必要です。(注:複合皮膜や塗装による方法は別)電解液の種類、電解条件により異なりますが、皮膜には多数の吸着性のある孔があり、空気中の酸素や他の化学物質と反応しやすい状態にあります。その為、耐食性が悪くそのままでは腐食や変色、汚れ等の問題が発生します。(封孔処理を行っていない製品に素手で触ってしまうと指紋が残ってしまい、簡単に落ちなくなるのはこの為です。)すなわち皮膜に耐久性が無く実用的ではないのでアルマイト処理後、封孔処理を行い微細孔を封じてしまうか、または、化学的に不活性化する必要があるのです。
◎封孔処理方法
封孔処理方法には、いくつかの種類があります。
①加圧蒸気封孔
アルマイト処理後、十分に水洗いした後、耐圧高圧容器内に入れ、3~5気圧の蒸気を送り、20~30分間保ち封孔する方法。
②沸騰水封孔
アルマイト処理後、十分に水洗いした後、純水、95~100℃の加熱水浴中に30分くらい保って封孔する方法。
③酢酸ニッケル添加封孔
酢酸ニッケルの水溶液中にて処理する方法。温度は95℃以上にて10~20分間保持し、封孔する方法。
などがあります。
一般的には酢酸ニッケル添加封孔+沸騰水封孔の2段封孔が使用されます。
封孔処理前
↓
封孔処理後
(※封孔処理前後の酸化皮膜断面)
以上、アルマイトによる表面処理に必要不可欠な、封孔処理についてご紹介しました。
アルマイトの工程には、まだまだたくさんの作業工程、処理方法があります。
今後も、より深い情報をお届けしていきたいと思います。